ジェイ・ロバート時代

「計画」よりも「適宜判断」?

計画は絶対に必要だ。世の中の多くの人がそう思っている。しかし、はっきり言う。状況が流動的な時に「計画」を作っても意味はないよりも失敗の原因を作るようなものだ、と。それよりも、状況に応じて適宜判断した方が良い。プロジェクト管理における「リス…

アジア英語の時代

先日、アメリカ人(ネイティブ)の英語教師から面白い話を聞いた。なんとフィリピンからスカイプを使って日本人に英語を教えるサービスが一大勢力になっているのだという。1時間300円。これは日本人生徒には強烈な安さだし、フィリピン人教師には美味し…

既得権のどこが悪いのだろう?

以前もmixiがブログかで議論になったのだが、俺は既得権の何が悪いのか、さっぱり理解できない。だいたい誰もが既得権を得るために努力するんじゃないのか? 医者だって教授だってそうだし、公務員になるのも、一流企業に入るのも、それも既得権を得るた…

認知症と会話

昨日はエライ目にあった。朝一番で郵便局に行った後、ちょっと一服と喫茶店に入ったら、地元では名士と言える不動産会社の社長さん(72歳)に声をかけられた。元々、面識はあるのだが、そこから延々と話が2時間弱。いやー帰って仕事をする予定だったのに…

変人を目指しなさい

ニューエコノミーで必要な人材は、変人と精神分析家だ。ロバート・ライシュに言わせると、変人とは以下のような人のことだ。1.空想家であり革命家 ふむ。俺かな~?2.新しい問題を発見してそれを解くことに喜びを見出す人 なるほど。3.強い芸術性と巧…

コンサルタントの会話術

「君がコンサルタントになる? 面白い計画だね。で、フィージビリティはどうなのよ?」「フィージビリティ? なんですかそれ」「おいおい、そんなことじゃコンサルタントなんて到底無理じゃないか? フィージビリティとは実現可能性のことさ」「はい。それは…

マーケティング基礎の「キ」

個人事業主にだってマーケティングの知識は必要です。巷には本もセミナーも溢れてます。でも、知らない人もいるのが現状。誰もが知っているという認識は間違っています。今日は少しマーケティングについて書いてみましょう。ジェフリー・ムーアは、マーケテ…

)成熟市場における新商品の4つのベクトル

えーと。俺は自称「フリーの哲学者」だけど、マーケッターでもあったりする。今日、ファイルを整理していたら一枚の図が出てきたので公開うることにした。 当然のことだが、差別化には4種類のベクトルがある。(上図は数年前のビール業界の例)1.品質差別…

フリーランスの教訓

組織人の価値観や常識が、フリーランスの価値観や常識とはまるで異なると知ってはいたけれど、実際の体験から感じたことをメモするよん。一番の違いは、人間関係を換金することに違和感が有るか無いか。友達なのか顧客なのかを考え出すとフリーランスにはな…

50回目の戯言

これが、9月に始めたこのブログの50本目のエントリーだ。目次を作ろうかとも思ったが、面倒なのでタイトルのキーワードを抜き出してみた。 経済成長、貧困化、ノマド、家族観、地方分権、脱東京、雇用、議論、合意、東京オリンピック、ゆるさ、スタイル、…

家計の支出を下げて、生活の質を上げる。

昨日になって以下のことに気がついた。1.月々の支出を上げて、生活の質を上げることは可能だ2.月々の支出を下げて、生活の質を上げることは可能だ3.月々の支出を上げて、生活の質を下げることは可能だ(意味がない)4.月々の支出を下げて、生活の質…

食品偽装と偽装報道のグレー風味

2週間ほど地球を離れていたが、日本のマスコミではホテルやら何やらの食品偽装問題が話題になっているようだ。某ホテルでは社長が辞任。しかし、マスコミの報道は「誤表示」で統一されている。そして、ワイドショーとやらでは「誤表示」か「偽装」かという…

三流学者の床屋談義あるいは知性の敗北

学者という肩書きと薄っぺらい知識を利用して、自らのイデオロギー的なものを開陳することで人気を得ていう三流の学者の言説が害毒であることは言うまでもない。もっとも、それに共感する大衆も大衆だが、大衆は地位や肩書にとても弱く、考えるだけの力も知…

三つの貧困と思想的バトル

生活保護や社会保障、さらにはブラック企業やワーキングプアの話題が盛んだ。これについては、いろいろな考え方や立場があるが、まずは経済的貧困と時間的貧困という切り口から貧困を三つに分類した。 まず、<貧困ー1>では、お金も時間もない。いわゆるワ…

社会変化の方程式

「文明の接近」で有名なトッドは、識字率が上がると、出生率が下がり、近代化(民主主義革命)が始まるというシーケンスを証明した。彼はソビエトの崩壊を、そしてアラブ革命を予言した学者として注目されている人物だ。トッドはまた、家族システムが社会構…

人類の普遍性と家族システム

「文明の接近」で有名な家族人類学者エマニュエル・トッドは、世界には8つのタイプの家族型があるという。なかでも典型的なのが権威主義核家族と、平等主義核家族だ。その差は、兄弟について長男に優越性があるかないかが識別の要素になる。長男が優先され…

真の欲望を突き進め

欲望を中断し、内的欠如、至高の超越者、見えすいた外部、という三つの亡霊に、欲望を依存させる基準を排すること。(「千のプラトー」ドゥルーズ=ガタリ 河出書房新社 より) 俺のような一流の哲学者でも、ある程度社会的に成功しておきたいと思うことがあ…

日本という国の現在

近隣に友達のいない孤立した国。それがいまの日本だ。アメリカからも、いまや厄介な同盟国として問題児扱いされている。冷戦の時代は大昔に終わり、いまはアメリカも中国との連携を深めている。国内メディアは、日本の世界的な位置づけを報道しない。そして…

精神科医療と人格改造

精神科医、村井俊哉氏の「人の気持ちがわかる脳」(ちくま新書)という本を読んだ。昨今の新書ブームで指摘されている通り、全般に新書の質は著しく低下している。申し訳ないが、本書もその例に漏れないと言って良いだろう。筆者の主張した点と全体の構成が…

情報中毒と情報失調

久しぶりに「情報環境学」大橋力著(朝倉書店、1989)を引っ張り出した。俺がこの本を入手したのが1990年の5月5日。俺はまだ20代で、時代はバブルで、もちろんインターネットは普及していなかった。大橋氏の情報環境学とは次のようなものだ。 物…

世界という劇場の通行人

世界とは劇場である。交通や通信の発達した現代では、世界中の劇について知ることができるし、実際に劇に参加することもできる。戦争、テロ、事件、事故、スキャンダル。これらはもはや現実である以上にエンターテメントだ。こんなことを書くと、冗談ではな…

グローバル化とはプレカリアートの拡大である

グローバル化についての説明はいらないだろう。プレカリアートにつては一応説明しておく。プレカリアートとは、不安定さを意味するイタリア語のプレカリティと、労働者階級を意味するドイツ語のプロレタリアートを組み合わせた造語だ。つまり、プレカリアー…

「大学入試に人物評価」は拙いよ

政府の教育再生実行会議は国公立大学の2次の学力試験を廃止し、人物重視の面接や論文に変えて行く方針であることを明らかにした。これは本当に危険だ。人物重視ということは、望ましい人間像を規定するということだ。いったい誰が、この望ましい人間像を定…

自由と人権を嫌う日本人の深層心理

驚くべきことに、日本では「権利ばかり主張するという非難」が言説として成立し流通している。今日も某国会議員がそんなことを言ったらしい。それを報道するマスメディアも、なかばこの言説を支持しているのだろう。権利を主張するのは当然のことだ。それを…

脱成長の経済学の難点

経済成長というスローガンが賞味期限切れとなった今も、経済成長の信者は多数派である。経済成長という装置は100年以上にわたって人々の欲望を燃やす続けるエンジンとして機能し続け、今もそれなりに機能している。しかし、もう何十年も前からそのメカニ…

日本の人口推移から見た経済成長の不可能性

少子高齢化と言われる日本だが、大正10年から2050年までの人口の推移をグラフにしてみた。 戦争による人口減のあとの高度経済成長期には、15-65歳人口(生産力年齢)が増えている。つまり人口動態から見て、ある意味で高度経済成長は必然だったと…

コミュニティ性とクラスタ性の関係についての考察

コミュニティというのは家族や学校、会社や地域社会、あるいは趣味の集まりなど人間的なつながりのある集団のことだ。利害抜きの第一次集団から、単なる制度的なものまで、その強度はいろいである。 一方、クラスタとは、個人の複数の属性や特性を数学的手法…

キャズムを超えないという戦略

キャズムとはビジネス・パーソンには馴染みの言葉だろうが、知らない人がいるかもしれないので説明しておこう。 キャズムとはエヴェリッド・ロジャースが提唱した下記の「ユーザーの5分類」だ。 1.イノベーター 2.5%2.アーリーアダプター 13.5…

インフルエンサーの条件

20年以上前の話だ。木下玲子氏の「インフルエンシャル―影響力の王国」を読んで衝撃を受けた。世界はローズ奨学金で学んだ超エリート達によって完全に支配されていることを知った。資本は若い才能を必死になって探し、買う。まだそれが可能な時代だった。し…

下部構造としての経済と情報

マルクスのいう「下部構造」とは社会の経済的構造であり、これは徐々にしか変化できないと考えられていた。しか、インターネット革命以降、情報構造もまた社会の下部構造であるとすれば、今のSNSの乱立と繁栄は下部構造の急激な変化だということができる…

規範のクラスター化と権力の新しい形

先日のある会合での、女性の社会学研究者どうしの会話が異常に頭に残ってしまった。 A氏「恋愛も結婚も勉強も就職も、今の時代にはテンプレートがあるのだから、その通りやればうまく行くのに、テンプレートを知らない人、知っていてもできない人がいるのが…

この2年でSNS利用の常識は逆転しました

私はSNSおたくである。mixiには2005年に入り、twitterも早期に入った。facebookには抵抗したが一応入ったし、去年はニコ生で熱心に放送していた。もちろん、ネットで知り合いリアルで会うというのは普通のことだった。 2011年。東日本大震災…

議論は定量的・定性的に事実を確認することから。

俺はアンチ・テレビ人間だが、どういうわけか今日は「朝まで生テレビ」を見てしまった。とにかく俺はこの時事ネタ議論ショーが大嫌いだ。特に田原総一朗に激しい嫌悪を感じる。テレビでは偉そうにしているが、裏ではペコペコしている。絶対に見ない番組のは…

難しいことを簡潔になど説明できない

俺はフリーの哲学者になる前、サラリーマンをやっていた。理由は省略する。俺にも被雇用者という暗い過去があったのだ。同情されるか嫉妬されるかわからないが、とりあえず告白しておく。 俺がサラリーマンだった頃、社内でセミナーを開き講師をする機会が何…

最大の問題は被雇用者のメンタリティだ

昨日「市民的勇気」というフレーズを聞いて大いに考えさせられた。市民的勇気の対極にあるのが組織人の自己保身であり、これこそが日本のジレンマなのではないかと思った。 インターネットが普及したものの、組織人が実名で個人的意見を発信することにはリス…

目的意識は重要だろうか?

出典を失念したのだが、ある人が成功の条件として、以下の二つを示していた。 1.自分に出来る「価値ある提供物」に特化する。 2.利益ではない「強い目的意識」に駆られる。 しかしね。そもそも成功ってなんだ? そんなものは人それぞれだし、俺のように…

社会保障給付の国際比較

日本は社会保障費の負担が大きくて大変だと思っている人が多いのではないだろうか? 事実はまるで違う。下のグラフは厚生労働省の作成した資料。社会保障給付の部門別の対国民所得比を示している。 図の中に書かれているポイントは以下の3点。 年金:米英を…

ビジョンに対する理念の優位

「ビジョンに対する理念の優位」というタイトルから、リチャード・ローティの「哲学に対する民主主義の優位」を連想した人は哲学好きだろう。しかし、今日の話はローティーではない。 最近は経営でもソーシャルでもビジョンが重要視される。魅力的なビジョン…

撤退障壁にご用心

企業が市場での支配力を維持するために新規参入を難しくすること、つまり参入障壁を作るとは昔からある戦術だった。しかし今はこの逆に顧客が撤退できない仕掛けを作る戦術が流行っている。これを撤退障壁を作るという。 最近、俺はBLOGOSという700…

正しい責任の取り方とは

大阪は面白い都市だ。面白い人が知事や市長をやっている。選んだのは大阪府民であり、大阪市民。大阪は個性的な風土を持っている。 最近もニュースにこと欠かない。今日もセクハラで減給1ケ月となった大阪市の東成区長が市議会で辞職を求められ謝罪したらし…

オルタナティブより移行計画が問題なんだよ

ネットには原発問題、社会保障、増税や経済政策などの批判を延々と続けている人が山のようにいる。もちろんオルタナティブ(代替案)を出しているプロやセミプロもいるが、そんな主張だけでは現実は変わらない。重要なのはビジョンへの道筋を示して現実的な…

なんでも病(やまい)にする症候群

ある有名な学者が自分と異なる意見を持つ人に「病気」というレッテルを貼って切り捨てたのを見て驚いた。しかも現代思想が専門の学者だ。そんなに簡単に「病気」という言葉を使うとは驚き、桃の木、山椒の木だ。しかも、簡単に他者を排除し、差別するこの人…

感動中毒とは思考停止である

いつの頃からだろう、やたらと「感動」という言葉が使われるようになった。 「感動しました」 「感動を与えたい」 「感動していただいて嬉しいです」 しまいには、感動が脳に良いなどという脳科学者も現れ、エンターテイメント産業だけでなく、あらゆる企業…

一枚岩の「理想の組織」こそ失敗しやすい

いま読んでいるのは「経営戦略全史」(三谷宏治著)だ。これがとても面白い。フリーの哲学者である俺と経営戦略がどう関係するのか。それは、俺の研究テーマが「社会と組織そして個人の関係」にあるからだ。テーマが壮大なので体系的に整理しようなどという…

努力の本質は楽しむこと

努力というと「苦労すること、辛いこと」といったイメージを持つ人が多いんだけど、その種の努力は間違った努力なんだよな。 努力とは、やりたいことを実現したり実行することなんだから、そのプロセスに苦労があっても、基本的には楽しいものなんだな。努力…

ナショナルミニマムの改善と勤労の義務の廃止

ナショナルミニマムの根拠は憲法25条の生存権である。 第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。 ナショナルミ…

問題とは何かという問題

社会は問題で溢れている。誰もが知っている問題もあれば、一部の人だけが知っている問題、個人的な問題などさまざまだ。問題と聞いて、俺は以下の三つの言葉を思い出した。 【1番】 「それが問題なのではない。それを問題だと考えることが問題なのだ」(ア…

利他的という美学

自民党の石破茂氏と評論家の宇野常寛氏の対談「こんな日本を作りたい」(太田出版、2012)を読んだ。いまごろなぜこの本を読んだかと言うと、宇野常寛という人物とその活動に強い関心を持っているからだ。内容は多岐にわたるが、一番印象的だったのが石…

ネットワークとつながりの違い

経営の歴史を見ると、階層型から事業部制へ、あるいはネットワーク型組織へという流れがある。また、最近ではソーシャル・メディアをネットワークと呼ぶこともあるし、ネットワークという言葉から連想するイメージは人それぞれだ。 数年前は、コンピュータを…

大衆vs市民

右傾化の流れは日本だけではない。ご存じの通りヨーロッパでも右派勢力が力を伸ばしている。自称知識人達はこうした流れを憂い危惧するのだが、その思いをブログや呟きにしても影響力などあまりない。夏目漱石の個人主義は、仲間を集めて行動することを否定…