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最大の問題は被雇用者のメンタリティだ

昨日「市民的勇気」というフレーズを聞いて大いに考えさせられた。市民的勇気の対極にあるのが組織人の自己保身であり、これこそが日本のジレンマなのではないかと思った。

 

インターネットが普及したものの、組織人が実名で個人的意見を発信することにはリスクがある。特に、組織にしがみつくことでしか生活できないと考えている人が市民的勇気を持って発言し行動することは少ない。

 

そもそも日本には社会人というおかしな言葉があって、それは概ね企業人、組織人という意味合いが強い。国民は学生であれ、ニートであれ、隠居老人であれ社会人だと思うのだが、学生が就職することを社会人になる、などと表現する。おそらく、働いて稼いで自立することが一人前の人間だという意識が定着しているのだろう。

 

問題なのは、組織人としての意識が過剰で、市民としての意識が低いということだ。これは日本社会の特徴と言ってもよい。だから、たとえブラック企業であっても社員はその文化に染まることが正しいと考えてしまったり、不正の内部告発した人を馬鹿だと思う人がいたりする。要は、社会全体が、組織に従順で精一杯働かせることで、市民意識を持ちにくいような風土が形成されているのだ。従って、新しい日本を作る鍵は、このような被雇用者のメンタリティーを変えることなのである。

 

では、どうすればそれが可能なのか。俺が考える政策は次の通りだ。一つには雇用の流動化と働き方の多様化だ。(解雇規制撤廃に賛成)そして、もう一つがセイフティーネットの充実だ。(社会保障制度の早急な改革)さらに、収入が増えればハッピーだというのが錯覚であることに気がつくことだろう。

 

年間2000時間の労働で1000万円程度の年収というのはまったく豊かではない。それよりも、1000時間の労働で500万円の年収の方が、時間的に見て遥かに豊かだ。これは、俺がいろいろな人と会って話をしての感想だ。もっとも、仕事が大好きという人は別である。ただ、こういう人の多くは、ただの仕事中毒であったりするのだが。

 

今の日本の政治は、B層と呼ばれるメディアの情報に影響される考えない人々の心をつかむマーケティングに力点が置かれている。これは与党も野党も同じだし論壇も似たようなものだ。このようなマーケティングのゲームが必要であることも現実なのだが、下部構造を変えなければ日本の政治は変わらない。いや、むしろ現状は市民意識が低下し、危険な状態になりつつある。

 

「政官財学のマフィア連合」などという言い方をする人もいる。俺はマフィアではないし、マフィアには詳しくないが、各界が強固な利害関係で繋がっていることは想像に難くない。政治家は国民にきれいごとを言うが、現実にはこのマフィア連合の利権を壊さないことを最優先に考えている人が過半数だろう。

 

日本の未来が明るいものになるとするならば、B層が覚醒し、多くの人が市民的勇気を発揮することが必須である。組織の論理よりも、市民としての義務を優先する人が増えた時、景気や経済とは無関係に日本は変わるだろう。最大のイノベーションとは行動原理の変革だ。俺は若くて有能な世代にベットする。