白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

あとがき

本書は次世代文明を予測するとともに、より良い世界を構想するという、誇大妄想的野心の一つのまとめである。私は在野の研究者を自称しているが、知識量において学者には到底及ばない。それを自覚しつつも、錯覚的な使命感とか、運命かのように、横断的、縦断的な知に接し、現代文明の病理に対して風穴を開けたいという思いに駆られていた。
本コラムは、2013年時点での私の想いをまとめたものだ。世界は複雑であり無数の問題を論述することなど誰にも出来ない。
文明の分水嶺ということが言われて30年近くが経った。文明のへ変容は思想などではなく人類学的諸要素によると言うのが定説だが、それでも、そこには自由意思が関与する余地があることは明白だ。
より望ましい世界や社会を、そして人間的な文化生活を企図することは、正当なことである。より多くの優秀な人々に未来を真剣に考えて欲しい。この強い願いを表明して、このコラムの第一部のあとがきとする。
真剣にお読みいただいた読者の方々に、そしてこの本の企画を提案していただいたTM氏に、こころから感謝します。

2013年8月30日 白井京月