貧困の基準を考えよう

2015年12月18日、「相対的貧困率に関する調査分析結果について」というレポートを発表した、

 

それによると、日本の相対的貧困率は、総務省の「全国消費実態調査」(2009)では10.1%、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2012)では16.1%となっている。なお、所得150万円未満の世帯は、国民生活基礎調査では12.8%、全国消費実態調査では、7.2%となっている。

 

所得150万円未満の世帯の割合は、国民生活基礎調査では、12.8%、全国消費実態調査では7.2%。

 

まずは、相対的貧困の定義を確認しておこう。相対的貧困とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員のことであり、この割合を示すものが相対的貧困率だ。ただし、預貯金や不動産等などの資産は一切考慮されない。1億円の貯金があってもしていても、世帯所得がなければ相対的貧困ということになる。なお、可処分所得とは、世帯の実収入から、支払い義務のある税金や社会保険料などの非消費支出を差し引いた後の金額を言う。

 

世間は貧困率が上がったとか、下がったとか、国際比較でどうだとか言うが、時系列でみると等価可処分所得の中央値が下がっているのだ。それでいて相対貧困率は上がっているのだ。つまり貧困の基準は下がっているのに、貧困率が上がっているということ。これが今の日本の現状だ。

 

調査や分析に意味がないとは言わない。しかし、何人に一人が相対的貧困かという経済学的、社会学的、統計学的な話ではなく、現実に衣食住が厳しい人がどれだけいるのかということではないのか。

 

具体的に言うと、1ケ月に一人いくら使えるかだ。持ち家の人もいれば賃貸の人もいる。住宅や車のローンを抱えている人もいる。それぞれに事情や考え方があるだろう。それにしても、年間150万円という基準であれば、すべてが所得では無いにしても、もっと多くの人が使っているのではないだろうか。65歳以上の貧困率が高いのは貯金があるからかもしれないし、30歳未満の貧困率が高いのは親の援助があるからかもしれない。

 

はっきり言おう。相対貧困率は貧困の基準として問題が多過ぎる。もっと簡単にYES/NOの100問を作り、YESが80個以上あれば貧困と言うのはどうだろう。この設問に学術性を持たせれば、かなり意味のある調査ができる。少しだけ例をあげよう。

 

Q1.喫茶店に行くのは贅沢だ。基本的に行かない。

Q2.本や雑誌を買うのは贅沢だ。基本的に買わない。

Q3.缶飲料やペットボトルの飲料は割高なので買わない。

Q4.貯金が20万円以下だ。

Q5.電気代を節約しようという意識がある。

Q6.外食はせず、自炊だけで生活している。

Q7.靴を5足以上持っていない。

Q8.月に3000円以上の習い事はしていない。遊興費も3000円以内だ。

Q9.体調が悪くても、お金のことを考えて病院に行かないことがある。

Q10.月に200時間以上働いている。

Q11.定期的に会って話をする友達はいない。

Q12.タバコは吸わない。

 

こうやって見て行くと、年間150万円というのは、家賃にもよるが微妙なラインだと思う最低限の衣食住は満たせるだろう。しかし、文化的な生活となるだろうか。文化とはある意味で贅沢であり余裕なのではないのか。そして、憲法は文化的な生活を保障しているのではなかったか。

 

次世代文明研究所が政党なら、以下のよう政策を打ち出すだろう。

1.最低時給を段階的に1500円まで引き上げる

2.生活保護費を増額した上で、物価スライド制にする

3.持ち家推進から不動産売却推進に舵を切る

4.労働時間を短縮することで、雇用を創出する

書き出すときりがないので、今日はここまで。

 

次世代文明研究所の復活か。

 

参考:

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/dl/tp151218-01_1.pdf