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黒崎玄太郎研究所

格差の捻じれ現象と貧困内格差

日日雑記 格差・貧困・福祉

日本は格差社会である。単に所得格差だけではない。帰属、家族、学歴、職業、地位その他、諸々の格差がある。それぞれの階層でコミュニティが分かれる。いや、コミュニティに参加できない人もいる。自分とは異なる階層のコミュニティに興味を持って参加する人は珍しい。だから、多くの人は自分の身の回りの世界しか見ていない。たまにテレビでいろいろな出来事が報道されるが、そこにはリアリティがない。そして、報道だけでは真実が伝わらない。

 

10年以上前から言われているのが、厚みのある中産階級の没落だ。そして、ここ15年で顕著なのが貧困層の増大だ。これは人口動態や国際経済の流れからして必然なのであり、再び厚みのある中産階級を作ろうなどというのは寝言に属する。

 

それよりも、中流では一定レベルを超えると幸福度が低下するという調査結果がある。あるグループの研究では中流の下の方は下流に嫉妬するほどに幸福度が低いという。

 

下流にはいろいろな定義がある。相対的貧困でも良いのだが、基準となる中央値が下がっているので、実態を見誤りやすい。生活保護水準というのもあるが、世帯人数や年齢、地域によってかなり異なる。概ね、年間可処分所得が150万円~200万円以下を下層と呼ぼう。なお、これは単身世帯の場合だ。え、150万円未満はどうなるのかって。

 

下流老人が話題になっている。今現在で600~700万人いるとされる。また、ワーキングプア(年収200万円以下)は、1000万人を超えている。

 

因みに、企業が労働者に支払った給与の総額は1999年の217兆円が、2009年には192兆円に減少。1999年の労働者の平均年収は461万円だったが、2009年には406万円に減少している。(統計が古すぎるな・・・笑)

 

おそらく、生活保護バッシングをしている不満層は、ワーキングプアとその周辺だろうと思われる。働かずに年間160万円。働いても年間200万円。それは面白くないだろう。しかし、問題は生活保護ではなく、ワーキングプアを作っている社会経済システムなのだ。彼らは、敵を間違えている。

 

あるネット上のコミュニティでは、優雅な下層階級と苦しい中流階級の対立が見られる。これを見ていると、どちらが幸福なのか分らなくなる。生活保護水準でも、生活スキルや社会的資源を活用するノウハウ、人的つながりがあれば、それなりに生活を楽しめている人はたくさんいる。もちろん、スキルもなく孤立している人もいる。このコミュニティを観察して見えてきたのは、格差の捻現象と貧困内格差だ。

 

前にも書いたが、なぜ政府は安価な労働力を大量に作ろうとするのだろう。もう、経済成長の時代は終わったのだ。世界的に見ても、先進国が経済成長する時代ではないのだ。本当に不足している労働力は、介護や福祉など一部の分野に限られている。潰れるべき企業を潰さないという方針(未だに成長を夢見ている)が、ブラック企業を増殖させている。可哀想なのは誰だ。それは、不幸な中流とワーキングプアだ。特にワーキングプアは人権問題だ。政府は馬鹿な財界の意見など聞かずに、俺の言うことを聞くべきだ。直ちに、最低時給を全国一律1500円にしなさい。消費税は10%にしなさい。

 

なに、財界は寄付金を出すが、お前はどうなのかって。そんなもん出すわけないでしょ。

 

就職しないという生き方。ニート万歳というのもある。もっとも35歳以下のニート80万人を労働力にするべく、厚生労働省はキャンペーンをしているが、ハッキリ言う。ニートを病気扱いして精神科医療の餌にするのはやめてくれ。出鱈目うつ病発達障害と患者拡大に成功した精神科医療業界を、これ以上潤す必要はない。

 

あ、俺は精神科医療の話になると熱くなるんだ。ごめん。ニート(教育もうけていない、就労もしていない)で親の脛をかじるなら、かじれるだけかじれば良いと思う。少なくともブラック企業で働いて悪のシステムに加担するより良いだろう。身体や心を病むより良いだろう。

 

そもそもの話、テクノロジの進化で必要となる人間の労働は大きく減少している。それなのに、経済成長を金科玉条とする化石となった経済学の亡霊が、需要の創出や雇用の拡大を主張する。滑稽である。雇用が無いなら働かなければ良い。だいたい、全産業を見て何が必要で何が無駄かを考えれば分かる。いらないものが多過ぎるのだ。

 

「あの、うちは資産がないんで、働かないと食べて行けないんです」

「そうか、各地で炊き出しをしよう」

「あの、うちは資産がないんで、働かないと家賃が払えないんです」

「大丈夫だ。公団住宅の空きがいくらでもある。無料で斡旋しよう」

「あの、現金持ってなんで、電気代、ガス代、水道代が払えないんです」

「そうか、それは社会福祉協議会が相談にのる」

 

いっそのこと、生活インフラは行政主導で無料化した方が安上がりだし、不公平がない。リサイクショップ、牛丼チェーン、など貧困世界には独自の裏技があって、逆差別と言えるものまである。

 

ああ、ついでに書いておくと、肝は家族制度だ。世帯概念が法律的に孤立化を促進している。ある人は生活保護を受給するために両親の住む実家を出てマンションを借りる。矛盾してるんだよな。

 

大事なのは、セーフティネットを整備して豊かな貧困ライフを約束すること。きっと。多くの中間層が貧困層へと流れ込むだろう。そこで初めて、本当に必要な労働力がどの程度のものか分かる。まずは、貧困内格差の解消からだ。