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雇用は無用

不思議なことである。これだけ文明が発達していながら、誰もが若い頃から60過ぎまで働かないと、社会が機能しないのだろうか。そんな馬鹿なことがある筈もない。必要最小限の労働力など、50%程度だろう。無駄なサービス、無駄な競争が多過ぎるのだ。

 

そこに無理に雇用を作ろうとするから賃金が安くなる。そして成長だの景気だのと寝言を言い始める。しかし、稼がないと生きて行けない人がいることは事実だ。要は、お金を配る手段として雇用しか思いつかないというプアな経済学に大いに問題があるのだ。

 

ベーシックインカムだって。あれは豊かな社会での一つの思想だ。実現性などある訳がないじゃないか。

 

格差と貧困はしばしば話題になるが、それは悲惨な事件が起きてからだ。日本の相対貧困率は17%と言われるが、その実態に迫った資料は少ない。

 

思うに、格差は、所得だけでなく、資産、文化資本、親族ネットワークという要素が重なっている。今の日本で支配階級に行きたければ。文化資本を獲得して、支配階級の家系に組み込まれるべく結婚しないといけない。そんなことは常識なのだろうが、知らない人もいる。これは政治家だけではない。官僚でも文化人でも同じことだ。

 

雇用は無用と書いたが、無用ではないだろう。ただ、雇用を作るための研究組織を作り、人を雇い、施策を練り、実行するための組織を作り、そこにまた予算をつけるという現在の手口は馬鹿げている。それこそが税金の無駄使いだし、貧困の拡大政策だ。それならば、よりよい再分配を考えるべきなのだ。とにかく、日本経済は富の再分配が上手く行っていない経済学劣等国なのである。

 

残念ながら私は、政府に政策を指南する立場にない。ただ、さらなる雇用の創出が低賃金化に拍車をかけることは間違いない。

 

もう、雇用に期待してはダメなのだ。起業するなり、フリーランスになるなり、自立した生き方を目指さないと無理だ。そして「雇用は無用」と言い放つのだ。

 

その気力も能力も無い場合には、セーフティネットを活用しよう。私のように、その実態を知ってしまうと、それほど悲惨ではないどころか、その充実ぶりに驚きを隠せない。日本の問題は、セーフティネットを利用することにスティグマを持つひとが多く、それが諸外国に比べて利用者が少ない理由になっていると思う。

 

そうだ、次世代文明だったな。少なくとも、50歳くらいまでに隠居できないようでは次世代文明ではないな。なに、労働は美徳だ。働くことが楽しい。雇用は素敵だ。

 

しかし、何のための仕事なんでしょうね。そんなに電車を走らせないとダメですか。こんなにたくさんコンビニがいりますか。競争のパラドクス。誰が儲けているのか。

 

さあ、エリートもニートも合言葉は「雇用は無用」だ。元気な被雇用者はたくさんいる。これ以上は、いらないのだ。