白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

デフレ世界の波

日本にはデフレ世界がある。貧困世界と言っても良い。傘1本100円。弁当200円。そういう小世界がいくつも組織化されている。私も今月、そういうサークルに入った。年会費1000円。フリースペースを自由に利用できる。利用料は0円。

 

会員350円の豪華弁当の魅力に負けたのだが、会員数は500人を超えているという。こういうサークルは福祉の世界では珍しくないが、一般世界では珍しいだろう。一応、一般社団法人だ。組織はしっかりしている。どことなく怪しいが。

 

一般世界の価格体系では生活できない人が増えている。そういう人達が組織化する。障害者や高齢者に多いパターンだ。そして、次から次へと、一般世界からデフレ世界に移住する。

 

デフレ世界の住民は家電量販店で物を買わない。リサイクルショップに行く。消費の構造も、日常の行動もまるで違う。デフレ世界は弱者たちの自己防衛なのだ。

 

そんな世界に足を突っ込みながら、俺は未だにタバコと喫茶店と缶コーヒーがやめられない。日常のクオリティこそが人生だと思う。今日も朝から、角ハイボール濃いを飲んだ。これが充実だと思う。

 

ただ、このデフレ世界はまだら模様だ。地域によって有るところもあれば、無いところもある。多分、まだ無いところの方が多いだろう。

 

経済を規模の増加率(経済成長率)だけで見るような愚かな人と話をしても仕方がない。ライフスタイルとして、経済を考えることが重要だ。雇用も、結婚も、持ち家も、あたりまえではない時代。貧困ビジネスが大忙しの時代。貧困層だって、知恵を絞ってデフレ世界を創っている。

 

バブルの記憶が抜けきらない俺は、現実への適応に四苦八苦だ。

無駄な抵抗はやめよ。楽になれ。デフレ世界で生きろ。