何か書こうよ

茫洋としている。目指すべきゴールもなければ、未来の計画もない。当分は病状の推移を見ることになるだろう。張り合いは無いが、たいした苦痛も無い。ただ、漠然とした思いだけが漂う。そんな感じだ。

書きかけの小説「笑顔の監獄」で、障害者世界以外を一般世界とし、一般世界は明るく元気で笑顔に満ちていると書いたら、読者に馬鹿にされた。どこの国の話ですか。一般世界は苦しく、辛く、理不尽なのだと。もっともかもしれない。

つまり私は一般世界を知らないのだ。ごく狭いアッパーミドルか上流階級しか知らないのだ。そんな奴が書く小説など面白いわけがない。もしかしたら、落ち込んでいるかもしれない。自分ではよく分からない。

そもそも一般世界とは何か。人はそれぞれ見ている世界が違う。日本という国に住みながらも、それぞれが別の世界を生きているのだ。そういう多様な読者が、障害者世界の小説を読んで、どんな感想を持つのか。いや、それ以前に作家ならば読者層を想定しないといけない。

私は小説で何を訴えたいのか。政府の陰謀だろ。利権だろ。それしか無いだろ。障害の苦しみ。それを描くつもりは無いのだ。

「治りましたね。おかしいな。薬は飲んでましたか?」

医者にこの台詞を言わせたいのだ。

なんでも精神病にして、障害者手帳を強要し、薬を強要する、精神科医療利権。そしてそれを待ち受ける福祉利権。これが俺の妄想だ。この妄想を小説にするのだ。

混沌。一般世界像を馬鹿にされたが、それは良いことなのだろう。報いはある。現状は過去の報いなのだ。私は障害者世界の片隅で、コツコツと小説を書く。