白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

義務教育の廃止と発達障害

最近、何かと話題の発達障害だが、私に言わせれば、あんなものは病気ではない。教育とか社会という、おかしな規範から外れたものに、「発達障害」というレッテルを貼り、精神科医療ビジネスをしたり、安い労働力を作ったりしているだけだ。

私は、イヴァン・イリイチと同じく義務教育に反対である。差別を助長し、敗北感や挫折感で人を苦しめる前世代の制度。それが義務教育だ。

今朝、偶然にもカフェで発達障害と呼ばれる人を教えている元英語塾の塾長に会って話をした。発達障害と呼ばれる彼らが、いかに有能かを饒舌に語ってくれた。

私も障害者として、発達障害と呼ばれる人を何人もしっている。総じて彼らは真面目で優秀だ。ただ、ちょっと変わったところがある。それだけの話だ。

人間を標準化しようという前世代の文明は終わらなければならない。

障害。「福祉の公共哲学」には多様な論文が掲載されているが、一般世界に対する障害者世界の特性を論じたものはない。私は障害者世界の住人であり、障害者世界とは、支援者と障害者からなる、独自の世界だと感じている。一般世界とは切断されているのだ。

その背後には、福祉の哲学だけではなく、利権構造が大きく横たわっている。これ以上、義務教育の、あるいは義務教育的なものの、犠牲者を増やさないで欲しいものだ。まあ、私の場末の呟きなど非力かもしれないが、それを書くのが私の仕事なのだ。

発達障害ビジネス。えげつない世界だ。