白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

「計画」よりも「適宜判断」?

計画は絶対に必要だ。世の中の多くの人がそう思っている。しかし、はっきり言う。状況が流動的な時に「計画」を作っても意味はないよりも失敗の原因を作るようなものだ、と。それよりも、状況に応じて適宜判断した方が良い。

プロジェクト管理における「リスク・マネージメントの基本を思い出そう。
1.影響が小さく発生確率が低い場合・・・無視
2.影響が小さく発生確率が高い場合・・・適宜判断
3.影響が大きく発生確率が低い場合・・・発生時対策
4.影響が大きく発生確率が高い場合・・・予防対策・発生時対策

転職や戦争など、重大な状態になった場合、状況はとても流動的になる。戦略は成功確率を上げる効果はあるだろうが、経営戦略にしたところで絶対などというものはない。せいぜい、40%を60%に上げる程度ではなかろうか。まあ、これは無茶苦茶巨大な差なのだが、数学的思考力のない人にはその巨大さがわからない。

状況が流動的なものについて詳細な計画を作ることは時間コスト、金銭コストがかかるだけでなく、誤りを犯す可能性を高めるということを知らない人が多いとうことだ。

つまり、計画が重要か適宜反安が望ましいかは、状況の流動性、重要度、緊急度などから総合的に決定しなければならないのだ。

考えても見て欲しい。サラリーマンが会社を辞めて未知の分野に進もうとするときに、詳細な計画を作ることにどんな意味があるだろう。ただ、出遅れて、計画に縛られて、うまく行かず、失敗して挫折感を味わうだけではなかろうか。それよりも、方針だけ決めて「エイヤー」と会社を辞めた方がうまく行く。統計的な証明はないが、私の感覚的にこの推論には自信がある。

今日はこんなところで。ではまた後日。