白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

円安が止まらない

円安とは何か。それは日本の衰退である。為替を見るたびに悲しくなる。私はせめて、1ドル90円くらいでないと、日本経済の安定性が損なわれると感じている。円安が進むと日経平均株価が上がる。それは当然の流れだ。ドルベースで見ると株価はどう見えるのか。考えなくても分かることだ。

 

いったいどこまで円安が進むのかが怖い。一時106円台まで戻したが、また110円を超えてしまった。予測というのは難しいが、悲観的に見ると、年内120円までありそうだ。逆に、円高になる要素がない。なにも無い。日本は衰退の一途を辿っているのだ。

 

何年も前から書いているが、日本は人口動態から言って経済成長など出来ない構造になっている。それなのに、成長戦略をとり景気対策だなどという明後日の経済政策(?)つまりは、アベノミクスなどやるから、経済システムがどんどんおかしくなる。規模を縮小してでも強靭なシステムを目指せば、こんな惨状にはならなかった。基本的に、目標を誤っているのだ。

 

まあ、円安を嘆く人もいれば、円安で喜ぶ人もいる。しかし、自国通貨が安くなって喜ぶというのは、一般的にはおかしな心理だ。これは投資家だけの話ではなく、一般庶民の問題でもあるのだから。

 

現政権は、自爆政策へまっしぐらという様相である。夏の選挙がどうなろうと、政策は変わるまい。言論統制状態の今の日本。これからどういう社会に変わって行くのか、想像するだけで溜め息が出る。

 

それはそれは、円安で外国人観光客は増えるだろう。日本はどんどんと外国に買われて行く。いずれ、日本企業のトップも多くが外国人となり、日本人をこき使う。日本の支配階級が外国人になって行く。まあ、現在の日本の支配階級も外国人の支配下にあるのだから、たいした違いは無いか。

 

しかし、円安は良くない。もう、手遅れなのか?