白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

熱狂という病理と疎外

熱狂は賞賛されている。熱狂は推奨されている。義務教育が始まる頃から、勉強にスポーツに熱狂する者は集団を作る。会社組織など熱狂がなければ勤まらない。家庭であっても、生活に熱狂する。熱狂こそ、社会を動かす原動力なのだ。
もちろん、熱狂に馴染めない人も少なくない。多くはDNAレベルの問題だろう。そういう人は排除され、うつ病になる。熱狂こそが病なのに、熱狂しないことが病とされる。不思議な時代なのだ。
社会的不適応。異様な社会に適応しないことが病気だって。冗談ではない。熱狂が無いと成り立たない社会の方が狂っているのだ。
20世紀型社会はいつまで続くのだろう。次世代文明のメルクマールは何か。社会病理学に真面目に取り組まないといけない。
個人には精神科医がいる。しかし、社会には社会精神科医がいない。わずかに社会学がその機能を果たしているのか、いないのか。社会学も幅が広い。しかし、現代文明の病理とその治療というテーマは聞いたことがない。真剣に、社会の健康を再検討する必要があるだろう。
熱狂型社会はもう、うんざりだ。なにがノーベル賞だ。なにがオリンピックだ。そんなものはいらない。それよりも、貧困を撲滅せよ。