白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

自分らしさを取り戻せ

躁うつ病なり、統合失調症になると、抗精神病薬が処方される。これを飲むことで症状が緩和されるとも言えるが、その人の持つ個性が消されるとも言える。

たとえば私の場合、リスパダールをそしてインヴェガを飲まされた。これによって、熱狂と興奮という私の嗜好は消し去られ、卓越という独自性は否定された。

とにかく、社会一般の価値観に合わせることを、精神科医療も、福祉も、強制してくる。社会に適応することが治療目標になり、世俗の価値観を押し付けられるのだ。

こざっぱりした身なり。挨拶と笑顔。気配り。そして控えめな態度。そういうものが推奨される。そこには、その人らしさがまるで無い。

精神病は病気だろうか。科学的には病気だと言えないのだ。ならば、それは個性ではないのか。自傷他害や、社会的問題を起こす場合を除いて、過度に治療すること、すなわち標準的な人間に改造することが果たして正しいのか。

これは、精神科医療の根本問題だ。

今日も精神科の診察で自助努力で回復を目指そうと言われたが、それは世俗の社会でのポジションを上げるという意味だった。入院はマイナスというのが、今日の医者の考え方だ。

ある精神科医は、精神病になったら、過去の自分は死んだと思えと述べた。新しい自分を生きるのだと述べた。そんな無謀な治療が日本では、まかり通っている。

発病から20年。私は精神医学の常識に逆らって、過去の自分らしさの回復に挑戦する。今はインヴェガを1日6mg飲んでいるが、まるで想像力が生まれないし、エネルギーも出ない。機を見て自主断薬するかもしれない。

私は自分らしさを完全に失って5年になる。創造的な私の活動には狂気が不可欠だとすら考えている。

世俗の価値観に支配された、精神科医療と福祉にノーと言う。私は反逆者だ。慎重に目覚めの時を決めよう。下部構造を安定させよう。自分の気持ちを感じとれるようになれ。とにかく、世俗の価値観と無縁であれ。

思うんだよ。人間改造されて社会の片隅で生きるよりも、自分らしく入院生活をエンジョイする方が幸せじゃないのかってね。もっとも、今の病院では薬を飲まされるけれど。

万国の精神障害者諸君。治療を見直して自分らしさを取り戻せ。つまらない世間の価値観をぶっ飛ばせ。次世代文明の行方は、諸君の天才にかかっているのだ。幸運を祈る。