白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

インクルージョン(社会的包摂)

インクルージョン(社会的包摂)。障害者を排除せず、社会の中に取り込んで行く思想。世界的な流れである。きれいな理念だ。しかし、現実は厳しい。

私は出入禁止にされている店が何件かある。汚らしいという理由だろう。一般人は、インクルージョンをどう思っているのか。福祉関係者以外は興味がないのではないか。

一方の障害者の側も、社会に出ようとしない人が多い。疲れるからだろう。むしろ、地活のような、障害者のみの居場所の方がここちよかったりする。

コストの問題もある。インクルージョンはお金がかかる。

だからと言って、この理念を取り下げるわけにも行かない。すべてが崩れてしまう。要は、程度の問題だ。

日本の人口の約5%以上が障害者だ。障害にもいろいろある。単に、インクルージョンを謳うだけでなく、個別の取り組みも必要なのだ。そして、主に経済的理由によって、障害者の中にも格差があるのだ。

一番の問題は、障害者問題に対する、一般人の無関心だろう。関係者になって、はじめて戸惑うのである。

施設を作り、施設に送ればそれでいいのか。いろいろな障害者がいるのだ。

言えることは、現状の延長線上には、インクルージョン社会はないということだ。強力な施策が必用だ。