白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

新しい経済学

新しい経済学。現在の経済学が「豊かさの経済学」とするならば、新しい経済学は「快適さの経済学だ」。もはや、貧困と戦う時代ではない。もっとも、貧困国のことは知っているが、いまの開発経済学は逆効果だ。

利潤を追求し、所得を倍増させる時代は終わった。もはや、基本的な豊かさは保証されたのだ。ライフスタイルを大きく変える時代。新しいライフスタイルを模索する時代。それが現代だ。

一方で、生存学という学問がある。障病老異(障害、病い、老い、異端)を考える学問だ。新しい経済学は、生存学も視野に入れなければならない。

国家の役割。それも時代とともに変わる。政治は、そういうところで上手く舵をとらないといけない。弱者救済がベーシックインカムだなどというのは短絡である。現在の複雑で精緻な福祉を知らない人の言うことだ。

快適さの経済学が目指すもの。それは、多様なニーズへのきめ細かい対応だ。

とにかく、利潤を追求する古い経済学は終っている。経済成長など死語だ。経済成長なき経済発展が主張されたのは、20年も前だ。

さあ、古い常識を捨てて、新しい世界に飛び込もう。