女神先生。女神というからには美人だ。腕もいい。大きく股を開いて座る。私も3度、命を救われた。主治医になってもらいたいのだが、それは無理。非常勤だからだ。
今日は下痢にきく最強の薬をもらった。
昨日は1時間に8回の便失禁で、大変だったからだ。
話題はアルコールへ。
「F先生から余命1年と言われ、治療しないことにしたんです」
驚かない。顔色ひとつ変えない。
「アルコール依存の末期は、糖尿や肝臓で苦しいですよ」
ふむ。そうなのか。もっと細密な計画が必要だな。
苦しむのは、1週間か、3ケ月か。
これは、自殺とは言わないだろう。自然死だ。
女神先生は、私を励まさなかった。死生観を認めてくれた。私は自分の死亡計画に自信を深めた。