白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

障害者就労の推進に反対します

障害者就労の推進。美しく聞こえるこの言葉の裏側を私は知っている。私は障害者だからだ。

いったい、一人の障害者就労のために、どれだけの人が動き、どれだけのコストがかかっているかご存知だろうか。障害者が貧困から脱出するために就労するのだとしたら、障害者就労の制度のためのコストを直接給付した方がマシなのだ。

障害者が就労したい動機は、社会参加などというきれいごとではない。ほとんどが、お金が欲しいのだ。社会は労働を刑罰的に捉え、そこにお金を払おうという。なんとも醜い思想なのだ。

障害者就労の推進は、一般人の障害者就労関連雇用の推進にはなっているが、障害者のためになっているとは言えない。

いま、障害者就労をめぐる思想や観念を見直す時に来ていると思う。自立支援も同様だ。自立できないから障害者なのだ。

障害者なのに働いて偉いわね。無神経なこのひとことに、どれだけ多くの障害者が傷つくことか。

障害者就労の推進など、百害あって一利なし。おやめなさいって。