白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「健全な従属」と「野心」

■民主主義の特性 A.トクヴィルの大著「アメリカのデモクラシー」が出版されたのが1835年。これは近代民主主義思想を書いた必読の古典である。アメリカを旅したトクヴィルの鋭い観察と洞察は、その後の民主主義社会を的確に予見したものであり、数多く…

科学という神話

■科学とイメージ 現代人の多くは科学は重要であると信じているし、さらなる発展を望んでいるように見える。なお、ここでいう科学とは自然科学のことであり、社会科学、人文科学は含まない。そういえば昭和の時代には「思想の科学」という雑誌があったが、科…

欲望進化論

■欲望と欲求 その昔、人間を「本能の壊れた動物」と定義した人がいた。人間以外の動物は本能で行動しており、欲求はあっても欲望はないとされていた。そして、人間だけが欲望を持つのは言語を獲得したからだと。つまり、人間においては欲求と欲望を区別する…

情報は知識ではない

■情報と知識の関係 誰もがインターネットで大量の情報を扱える時代になった。しかし、これが人々の知識の向上に直接結びつくことはない。いかに大量の情報を収集しても、情報と知識は異なるからだ。 情報とは単なる事実(あるいは記述)である。これを知識に…