白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ポスト・グローバリゼーション

■グローバリゼーションの現代 1990年代以降に急加速したグローバリゼーションも、ここに来て踊り場に来ているようだ。トーマス・フリードマンが「フラット化する世界」で示したように、国家的地理的な制約がなくなるということは、必然的に、世界的な富…

権力・システム・生活

■歴史を見る眼・社会を見る眼 学校で習う歴史あるいは社会は、伝統的に権力の変遷であり、社会システムの変遷だ。もちろん文化についても学ぶが、一般人の生活の変遷を深く学ぶことはない。それを知るには、大学でのマニアックな専門で学ぶか、本を読むしか…

アイデンティティという虚構

■自己もアイデンティティも虚構である。 ある脳科学者は「自分という主体意識は脳が作り出す仮想でしかない」と言う。いまの科学ではそれしか言えない。反論するためには、霊なり魂の存在を証明する必要がある。自己は仮想に過ぎない。科学的にはその通りだ…

認識の欠落と非対称性-次世代と旧世代

■文明の文法、時代の文法 文明の文法は強固で揺るぎのない性質を持つ。一方、時代の文法は流動的であり、一時的なものだ。民主主義、自由、人権、進歩などの語彙は文明の文法に属しているし、ゆるキャラやAKBは時代の文法に属している。 いままさに、文明…

知性は重要か? -人間、昆虫、ロボット

■生物化するコンピュータ つい先日、書店で興味深い本を見つけて思わず買ってしまった。それがこの本だ。 生物化するコンピュータ 作者: デニス・シャシャ,キャシー・ラゼール,佐藤利恵 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2013/09/19 メディア: 単行本 この商…

価格と賃金の経済理論

■はじめに これから書く記事は、現実を知っている人にとっては常識に過ぎない。しかし、テレビや新聞、雑誌や過去の経済学の知識や情報を鵜呑みにしている人にとっては、常識が逆転するかもしれない。もっとも、一般に流布している経済の見方が無意味なもの…

政治と経済のブロック化

■はじめに 安倍政権の発足以来、日本は戦争への道を着実に進めているように見受けられる。NHKはじめマスコミを支配し、言論・表現の自由を制限するとともに、大企業や宗教界とも緊密な関係を築いた。解釈改憲、秘密保護法、集団的自衛権など、もはや独裁…

日本はブルーオーシャン国家を目指せ

■ブルーオーシャン国家とは何か 有名な経営戦略の一つにブルーオーシャン戦略がある。この戦略は、独自の市場を発見、創造するとともに、競合が参入できない状況を作るというものだ。現在の日本は、未だに経済大国、技術立国に未練を持っている。さらには国…

グダグダする時間と時代の針

■グダグダする時間の地位 一昔前は「家族や友達とグダグダする時間」など無駄でしかないので、そういう時間の使い方はやめて「生産的」なことをするべきだという考え方が支配的だった。余暇時間の拡大というスローガンはあったが、それが意味したのは消費行…

次世代文明へのシナリオ

■激変した資本主義のシステム 1990年代、従来の世界経済の基本システム、つまり資本が利潤を生むというメカニズムは崩壊の危機にあった。それを救ったのが金融工学とIT革命だ。高度な数学を用いた金融商品を開発することで、アメリカの、そして世界の…

生物学的反人生論

現代の日本社会が、政官財学の利権ネットワーク(左翼はこれをマフィア連合と呼ぶらしい・・・笑)によって完全に支配されていることはいうまでもない。現代における支配の特徴は、法律的には自由を与えながらも、情動系にアタックする情報刺激を大量に与え…