納豆にしませんか
「朝は納豆にしませんか」
精神科医は患者に言った。患者は毎日、喫茶店でモーニングを食べている。それでいて、生活が苦しいと言っている。節約と栄養。精神科医はそれらを考えて、アドバイスをした。
患者は唖然とした。長年の習慣をそう簡単には変えられない。それに、ご飯を炊かなくてはいけなくなる。そんな能力はない。それはヘルパーも認めるところだ。
それにしても精神科医療というのは不思議である。平然と生活に介入する。医者としては、いつもの事なのだろうが、介入された方は焦る。
納豆か。真剣に向き合っている私がいる。患者とは私のことだ。これから、この医者と付き合っていけるかどうか、ここが試金石のように思えてきた。納豆にしてみるか。ご飯はいらない。さあ、いつから。ヘルパーさんと相談だ。大胆に日常生活を変えたくなった。納豆か。納豆か。納豆か。
これはネタなのか。いや、大きな衝撃を受けたぞ。もっとじっくり話をしないと。