白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

不思議な福祉サロン

ある場所に障害者の福祉サロンがあります。通所しているのは毎日数人。多い日でも20人を超えることはありません。

テーブルと椅子が置かれていて、テレビがあります。流しと電気ポットがあり、カップ麺を食べられるなど、コンビニのイートインコーナーのようです。因みに、スティックのインスタントコーヒーを10円で提供しています。

書道の日や、お抹茶の日といったイベントが組まれています。先生はボランティアです。利用者にとって、そこは憩いの場です。

福祉サロンは市の委託事業で、社会福祉法人がこれを受託しています。職員は4名。助成金は年間3000万円です。

ちょっと待ってください。この地区の障害者は何千人といます。それなのに数十人が一人当たり100万円ものベネフィットを持って行っているのです。おかしくないですか?

いや、この助成金の行き先は職員ですよね。助成金社会福祉法人に行っているのですよね。これが雇用の創出ですか?

福祉の世界の経済学は、偏に倫理観に支えられている。そういうことで良いのでしょうか?

日本は先進国の中では公務員比率が低いわけですが、けっこう中核的な業務を外部委託してるんですよね。グレーです。どこまでもグレーです。

そもそも、障害者や高齢者のサロンには税金が使われて、一般人にサロンがないというのは、どういうことでしょう。財政の問題。利権の問題。地域によっては、首を突っ込むと大変なことになりそうですね。

こういう福祉サロンは全国各地にあります。障害者地域活動推進(支援)センターという名前になっています。貴重な社会資源という割に、利用者が少ないのは何故でしょうか。ニーズに対して、何かズレがあるのではないでしょうか。

モデルとしては素晴らしい。しかし、経済的に見ると、とてもおかしい。今日は不思議な福祉サロンのお話でした。めでたし。めでたし。