白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

続・霊界哲学講義

かき氷を食べ終えたN氏が語り始めた

 

霊界哲学は特殊なものではありません。そもそも、哲学の起源が霊界を考えることでした。物質なき世界。なぜ、人間はそんなものを想定したのでしょう。

 

死です。人は死が怖かった。そこで死後の世界を作った。それが霊界です。では、本当に霊界はあるのか。あります。霊界にいる私が言うのです。間違いない。

 

人は野性を離脱し、言語空間に入った。そこで、善と悪という観念が生れた。これが曲者なんです。善も、悪も、不完全な観念の産物でしかない。真理などないのです。

 

死後の世界。天国も地獄もありません。霊界があるだけです。そこは霊の次元の亜空間です。質量はありません。当然、感覚もありません。あるのは霊という根源だけです。しかし、こうも言えます。霊こそが生命です。精霊説は正しいのです。

 

現実界にいる貴方もまた霊的存在です。ただ、普段は霊を意識しない。いや、霊を無視して生きている。これは霊への冒涜であり、悲しいことです。

 

霊とは何でしょうか。それは宇宙と繋がる生命の根源です。私たちは、物質としてではなく、生命として、宇宙の一員なのです。それを、霊界では、高貴なるもの、と言います。

 

では、すべての生命が高貴なるものでしょうか。ゴキブリが高貴なる昆虫でしょうか。美しいものと、醜いものがあるのはなぜでしょうか。霊界に来ると、その理由が分かります。霊の構造が、霊の素性がわかるのです。

 

霊とは宇宙との繋がりだと言いました。であるなら、私たちは宇宙について考えなくてはいけません。宇宙の意味を問わなくてはいけません。宇宙の意味を問うこと。それが霊界哲学です。そこらへんの人生哲学とは次元が違うのです。

 

貴方がなぜ現実界にいるのかを考えてください。貴方はそこで、霊として何を行うのかを考えてください。常にです。

 

N氏はそれだけを言うと会場から出て行った。