白井京月の研究室

経済学・社会学・政治学

2016-01-01から1年間の記事一覧

貧困が奪うもの

貧困は可能性を奪う。貧困は希望を奪う。貧困は活力を奪う。そんなことは私が書くまでもあるまい。それが現実だ。もちろん、例外はある。 貧困に対応するために、苦しいことは考えないようになる。現状に満足しようと思うようになるだろう。欲望を捨て、きれ…

二つの貧困

今日、電話で福祉関係者と話をしていて驚かされたことがある。 「貧しいとは、食べるものがない事です」 おいおい、そんな貧困が日本にあって良いのか? そして、思った。貧困には二つあるのだと。 貧困A:「喫茶店で友達と雑談するお金が無い貧困」 貧困B…

指標としての文化的支出

フィールドワークとして自ら貧困層に転落して分かったことがある。 生活費にすら余裕がなく、文化的支出が無くなるということだ。 本は買えなくなるし、交際費もない。ちょっと喫茶店で話をするお金すら無いのだ。 福祉の世界では、それを庶民と言い換えて誤…

格差と貧困~新カテゴリー作りました

10年前に書いた「対立の哲学」に格差と貧困に関する章があったので読み返した。貧困は問題だが格差は当然だというようなことが書かれている。今は、必ずしもそう思わない。知的格差、社会的格差、健康格差、環境格差が貧困を生んでいるのではないか。 貧困…

「対立の哲学」から10年

d.hatena.ne.jp 私がネットで言論活動を始めたのは、1999年。2001年にはホームページを作った。2005年にミクシィに入り「対立の哲学」というコミュ二ティを討議と執筆の場とした。当時の名はロバート。会社員だった私は本名を使いたくなかった。…

リニューアル記念エントリー

ブログのデザインとヘッダーの写真を変えた。 貧困世界に落ちて、2年目になった。 貧困世界で生きる自信がついたら、次は貧困からの脱出だ。 次世代文明が貧困では困る。 優雅な日常でないといけない。 人はそれぞれ、人生という物語を持っている。 これは…

「健康になって下さい」は残酷な発言

格差社会と言われているが、格差は経済的なものばかりではない。 格差の三大要素は、経済、健康、人間関係だ。 「健康じゃない人はあかんわ」 今日、言われた言葉。これは残酷だった。治る病気なら「早く良くなってください」と言っても良いだろう。しかし、…

労働力調査を見て思うこと

朝から暇なので、久しぶりに統計を見た。 「労働力調査(基本集計)平成28年(2016年)7月分」 ■就業者 6479万人・自営業主・家族従事者 724万人・雇用者 5721万人(雇用形態別内訳) ・正規の職員・従業員 3357万人 ・非正規の職員・従業員 …

雇用の崩壊と社会制度

時代の流れだ。もはや誰もが同じような労働にありつける時代ではない。雇用という仕事の形態そのものが、脆くも崩れ去ろうとしているのだ。 もはや国家には、雇用を提供するだけの能力はない。それでも、ニートや障害者の雇用を促進しようとするのは、その支…

道徳は規範ではなく感情

「道徳は規範ではなく感情」 白井京月 道徳、それは共感 道徳、それは慰め 道徳、それは社会性 道徳、それは互恵 道徳、それは公平さ 犬だって、猫だって、猿だって、道徳的 道徳は規則じゃないのよ 感情なの ここからよ 現代人は自分の感情に自信を失ってる…

超富裕層のコスモポリタン都市を作れ

貧困世界の話題が続いたが、一転して富裕層の話だ。 夢を見た。ホテルリゾート。ガイドの女性は娼婦も兼ねている。世界各国の美女が集まっている。美男もだ。昔、ある女性に人間は世界各国の人とセックスするべきです、と言われたのを思い出す。それでも人そ…

ABC理論

私が精神疾患を患っていて治療を受けている話はこれまでもした。今は6人目の主治医。私を診て、まだ1年に満たない。その先生が私に禅を勧めた。私は従った。そして、今日の診察。 禅で無の境地に達したこと。2時間でも3時間でも無でいられること。馬鹿に…

無想~無の境地を体験して

禅の方法。それは瞑想ではなく、無になることだ。禅に取り組むうちに、私は遂に無想の境地に達した。何も考えない。何も思わない。眠るでもなく、ただ時間が過ぎて行く。1時間、2時間、3時間。ふと我に返る。そして、感じるのは達成感でも心地よさでもな…

過激な人生相談~コメント歓迎

今日のエントリー。ある有力なコーチにメールをしようかと思ったのだが、やめた。面識もないし、いくらかかるのかも分からない。それに、長くなりそうだ。 まずは現状を簡単に書こう。私はアッパーミドルから転落し、今は生活保護未満の障害年金で暮らしてい…

遊びこそ仕事という哲学

1.最高の遊びは学問 最高の遊びは学問であると言われている。最高というのは楽しさにおいてである。探究、発見、創造、深さ、申し分ない。政治的御用学者は別物だし、学問は学者だけのものでもない。ブロガーだって学問的な人も少なくないし、それはきっと…

「私の革命計画」と、その5年後

mixiの恥ずかしい隠し日記が出て来た。恥ずかしいは趣味なので公開してしまおう。 「私の革命計画」 2011年02月18日 え~。まだ働くの。働きすぎだよ。もっと楽しいことしないと年取って死んじゃうよ。死んだら多分だけど遊べないよ。 何がいけないの。…

霊の36階級

霊界哲学に言及したが、いくつか付言が必要なようだ。 調査によると、霊界は36のレベルに分かれていて、当然ながら上層の方が偉い。前回、講義をしてくれたN氏は、どうも下の方、それも1階か2階の住人らしい。このクラスは低級霊とも呼ばれ、どちらかと…

続・霊界哲学講義

かき氷を食べ終えたN氏が語り始めた 霊界哲学は特殊なものではありません。そもそも、哲学の起源が霊界を考えることでした。物質なき世界。なぜ、人間はそんなものを想定したのでしょう。 死です。人は死が怖かった。そこで死後の世界を作った。それが霊界…

霊界哲学講義

夏。霊界の季節である。はやく霊界に行きたいと思っている人も、そうで無い人も、教養として霊界哲学を知っておくことは悪くない。今日は講師に霊界のN氏を迎え、存分に霊界について語ってもらうことにした。 やあ。現実界は久しぶりなんで汗がふき出してま…

不思議な福祉サロン

ある場所に障害者の福祉サロンがあります。通所しているのは毎日数人。多い日でも20人を超えることはありません。 テーブルと椅子が置かれていて、テレビがあります。流しと電気ポットがあり、カップ麺を食べられるなど、コンビニのイートインコーナーのよ…

納豆にしませんか

「朝は納豆にしませんか」 精神科医は患者に言った。患者は毎日、喫茶店でモーニングを食べている。それでいて、生活が苦しいと言っている。節約と栄養。精神科医はそれらを考えて、アドバイスをした。 患者は唖然とした。長年の習慣をそう簡単には変えられ…

「生き延びる」は間違った戦略

過去に高橋亀吉賞に応募した論文を読み返した。よく書けている。少なくとも、こんなところでウダウダしている人間ではない。 思うに、精神障害者として年金で節約して生き延びようという戦略が根本的に間違っている。生き延びることには何の意味もない。そう…

考えたら負け

クラブでの会話 「今度、ご飯たべに行こ」 「いや、俺には妻も子供もいるし」 「そんなん考えたら負けや」 は。考えたら負け。なんだそれ。俺は40年以上、考えて生きてきたのだ。それを、考えたら負けだって? カッコいい。同伴してやろうじゃないか。 そ…

喫煙者・喫茶店・貧困層

直球で書いてみよう。 俺は貧困層だ。行政の家計相談で、喫茶店と缶コーヒーとタバコをやめるように指導を受けた。そして発狂し、病状が悪化し、入院一歩手前まで行った。先月の話だ。 障害者就労継続B型という時給200円のブラックな仕事も辞めた。1日…

デフレ世界の波

日本にはデフレ世界がある。貧困世界と言っても良い。傘1本100円。弁当200円。そういう小世界がいくつも組織化されている。私も今月、そういうサークルに入った。年会費1000円。フリースペースを自由に利用できる。利用料は0円。 会員350円の…

「医者でも一日1万円は使わない」だってさ

人の悪口は言うな、と教えられた。それはきっと処世術なのだろう。しかし、悪口も言えないようになったら人間終わりだという人もいる。それに、今日書くことは悪口ではない。 医療の世界では医者は頂点である。どんな医者だろうが医者は医者。異常にプライド…

厚生労働白書に求めるもの

ちょっと研究に必要な資料が欲しかったので、電話で問い合わせたが、さっぱり埒があかなかった。 私が知りたいのは生活保護に関する以下の数字である。 最近は生活保護に対する風当たりが強くなっているが、世間の人は以下の事実をご存じなのだろうか。 1.…

沈黙の理由

6月は頭から書き過ぎた。 その疲れが出たのと、選挙期間中は静観しようと思ったのが更新の無かった理由だ。 7月5日に、スマホをSONYのXperia_Xperformanceに変えた。そして目覚めてしまった。なんだ、この次世代文明は。人工知能…

格差分断社会の到来

格差が問題とされることがある。格差是正。機会平等。公平。 無理でしょ。大金持ちから税金取るの。教育格差でも金持ちは私立に行くでしょ。だいたい親の文化資本が違う。環境が違う。機会平等は形式論に過ぎない。機会平等でも能力や個性に差があるから、格…

有効期間付きマネー(紙幣の終焉)

前にも書いたが、現在の労働は、富をある程度平等に配分する方法が他にないから存在するのであって、社会的需要があるから存在するのではない。だから、少しでも儲かれば良い無駄な仕事が増える。標準的な仕事というものがあれば、20歳から50歳の人が1…